「聴く力」がすべて

息子を持って以来、二言語環境での子育てや母語を維持することによるバイリンガル教育に興味をもって、自分なりのペース、自分なりの方法論でコツコツと独学してきました。でも、独学、なんて高尚な言葉を使ってもいいものかどうか。実践を交えた手探り、悪あがき、と言った方がいいのかもしれません。

元々、この分野(二言語環境で育つ子どもの言語発達)というのは、既存の様々な研究分野に裾野が広く浅く重なります。保育学、幼児教育学、教育学、学習障害や自閉傾向のある子どもたちへの関わりから派生した特殊教育学(この名称は、個人的には好みませんが、学会の正式名称なので準じます)ディスレクシアの研究から発展した読字教育学、脳科学、読書教育学、心理学、社会学、言語社会学、民俗学などなど。

ネットで論文や識者のブログを読んだり、その中でこれはと思う書籍に行き当たったら読んでみたり、人に話を聞きに行ったり、思いついた事を息子を実験台に実践してみて結果を見たり、と、まあ、学術的とはとても言えませんが、一介の母親、としては、出来る範囲で頑張って来たつもりです。

でも、それはなかなか形になってゆきませんでした。形になってゆかない、というのは、系統立てて説明出来ない、ということです。すべての「どうして?」に答えられるようになって、初めて『形になった』と言えるんだろうなあ、と思ってきました。それは、過去に何度かあった、投げかけられた疑問に答える事が出来なかった悔しさに由来します。

「なんでわざわざ、ニュージーランドで暮らしてるのに日本語なんて教えるの、英語をやらせなさいよ」とか
「本さえ読ませていればそれで満足なの?」とか。

もう、何年も前の事なのにね。自分は以外と執念深いんだな、と痛感しました。笑。

でも、その『執念』が、何だかここへ来て、少しずつ『形になり始めた』気がします。

そのきっかけになったのは、「プルーストとイカ」でした。本の中で取り上げられているサンプルは英語ではありますけれども、「読む」という行為に脳内の音韻処理が深く関わっている、という事実が理解出来、なにか、今まで混沌と感じていた事がすっきりと見えてきました。

海外での日本語維持は、幼児期に日本語を「聴く力」をどれだけ養えるか、がポイントです。
だから、読みきかせであり、遊びなんですね。

自身の備忘録も兼ねて、時間のある時に少しずつ書いてゆこうと思います。

clst2 の紹介

ニュージーランド在住18年目に突入。なんでこんなに長くなっちゃったんでしょう?
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